EQこころのポジティブ革命

KKベストセラーズ(1997年)、金盛浦子監修の「すぐ分かるよく分かるEQこころのポジティブ革命」を読みました。


内容を要約すると、

成功や幸せな人生をもたらすのは、知能指数ではなく、その人のこころの知能指数(EQ)であり、EQは学習することで高められる、EQはどうすれば高められるか、というのが、この本のテーマです。

あなたのEQを決定する「5つの能力」として、
1)自分の感情を正確に把握する自己認知力
2)自分の怒りや欲求などの衝動をコントロールする自制心・忍耐力
3)他人の気持ちを推し量って把握できる共感力
4)無用なトラブルを起こさずに相手との関係を保てる社会的器用さ
5)ものごとの明るい面に注目できる楽観的なプラス志向ができる能力
を上げていました。

自分の感情を正確に把握することの重要な理由として、
私たちは、ある事柄について、「頭ではこう考えて、同時に、こころではこう感じている」ということを自分で認識するが重要である。理性で得た情報よりも私たちを強く動かす、こころが提供する情報の存在に耳を澄ませよう、と述べています。

また、辛いとき、苦しいとき、塞いでいるときには、過去のプラスイメージ(てきぱきと仕事をこなしていた絶好調のときの自分、体育クラブの合宿で辛い練習に耐えた満足感)を思い出すようにします。そうすれば、失いかけていた自信がよみがえり、再び自分を愛するようになるのです。

脳がプラス回路を作り出し、そこからどんどんプラスの答えを見つけて出力してくるのです。


次に怒りをコントロールする方法として、
カッとなったり焦ったりしそうになったら、ひとつ息を大きく吸い込み、ゆっくりと息を吐き出す。

これに成功したら、この怒りの目的は何なのかを自問する。
・相手を支配したいためなのか?
・仕返しをしたいのか?
・支配から逃れたいのか?
・権利を守るため?
・相手を譲歩させるため?

3つめの共感力では、
私たちの脳には、それぞれに生まれ育った学習体験から得た主観的な答えしか貯蔵されていません。そのため、同じひとつの入力情報に対しても、それぞれの脳が学習によって作り上げた内部世界からしか答えは出てきません。それほど脳は自己中心的ということを、肝に銘じることが重要。

母親や夫婦であっても、それぞれ独立した一人の人間であり、「分かりあえなくて当たり前」と考えを切り替えることがまず必要だと。



読み終えて、非常にすばらしい本に出会えたという印象を持ちました。

これからは、ポジティブ志向で脳のプラス回路を活用しながら、さらに人の考えというのはあくまでも主観的なものであり違っていて当然なのだ。また、完璧な人間などいないのだということを肝に銘じて生きて行こうと思いました。